生醤油ってなんだろう?
生醤油って、なまの醤油じゃないの??
生醤油とは。
生醤油と書いて『なましょうゆ』と読んだり『きじょうゆ』と読んだりします。
実は、『なま醤油』と『き醤油』では、漢字表記上は同じなのに意味が異なります。
大豆・小麦・塩を2年発酵熟成させ、『もろみ』というトロトロの状態になったものを、布に包んで絞って作ります。
この搾っただけの状態を『生(き)あげ醤油』といいます。非加熱の状態の醤油になります。
なまのままだと、酵母菌などの菌や、各種酵素が生きたままになっているので、瓶に詰めた後の醤油の状態が不安定になります。高温下に置けば菌が増えすぎて、ガスが出たり、オリと呼ばれる沈殿物が出たり。また、本来の風味を損なったりするかも知れません。
そして、火を入れると味に丸みが出て、風味が香ばしくなるという利点もあります。そこで通常、醤油は火入れを行います。
『もろみ』を絞ったものに、何も加えていないものを『きじょうゆ』といいます。
“絞っただけの醤油”も、そこに“火を入れた醤油”も、何も加えてはいないので『きじょうゆ』ということになります。
先ほど触れた通り、なまの醤油は、品質に安定性を欠きますので、大手メーカーなどでは、火入れをしない代わりに、細かいフィルターで菌などを取り除く処理をして、フレッシュな香りを残したままで品質の安定した『なま醤油』を作ります。
しかし、火を入れていないので『なま醤油』ではありますが、搾っただけの『生あげ醤油』の状態とも異なります。
『生醤油』と書いて、ややこしいことに、①搾って火入れした醤油と、②搾ってフィルター処理をした醤油、2種類のお醤油の状態を指します。
そして菌や酵素が生きている醤油は、③『生あげ醤油』ということになります。