味覚を鍛える!1
醤油を天然醸造で自家醸造している醤油屋がわずかになる中、九州産の材料と天日塩を使い、人の手によって醤油を作り続けているのには理由があります。その理由の一つに、「大切な人たちに元気でいて欲しい」「大切な人たちの大切な人、ひいてはたくさんの人に元気で過ごして欲しい」という願いがあります。
たくさんの品物がある中、醤油のことに限らず本当にいいものを選んでもらう為に、記事にしてみました。
もっと「美味しいを感じる」味覚になるには?
近年、味を感じにくくなっている人が増えていて、感じにくくなっていても、なかなか気がつかないケースがほとんどだそうです。
味覚を感じにくくなる要因はいくつかあります
- 体調不良
- 自然とは、かけ離れた高濃度の味を日常的に摂取する(化学調味料・甘味料や酵母エキス、昆布エキスなどのエキス系調味料)
- 合成界面活性剤入りの歯磨き粉を使う
- ミネラルの欠乏
・・・などが考えられます。
「化学調味料無添加」は本当に「無添加」か?
醤油屋として、注目したいのは2です。
アミノ酸等については有名になってきましたが、「化学調味料無添加」と表記してある調味料にはよく入っている、酵母エキスや昆布エキス・カツオエキスなどの「エキス系調味料」は、加工する段階で加工助剤として化学的なものを使っているので、往往にして化学物質無添加ではありません。
しかし、「化学調味料」としては指定されていないため、「化学調味料無添加」と記載できることになっています。
自分や大切な家族のために化学調味料を避けたくて選んだ品物に、思いがけない化学物質が含まれているという状況が発生するのは、とても残念だと思います。
どうしても強い刺激には慣れが生じ、依存するようになってしまう脳の仕組みについても指摘されています。少しの旨味では物足りなくなってしまうのです。また、甘味料は舌が甘さを感じているのに栄養素としての糖分が実際には入ってこないので、かえって欠乏感を招き、過食へ導くケースが報告されていますが、同様のことが化学的な調味料全般に起こっている可能性はあると思っています。
味覚はある程度回復されるといいます。一番早いのが断食だと言われてはいますが、何より日頃の食生活を見直していくことが大切です。
美味しいものを探す前に、味覚を鍛える
第一に、なるべく新鮮で質の良い食材を選び、その本来の味を引き出すこと。
料理の味のうち、ほとんどは畑などで終わっていると私は思っています。美味しい素材を使えば、あまり手を加えなくても、なくても美味しいものです。その逆、美味しくない食材を美味しくするには濃い味付けで誤魔化さなくては難しい。料理が得意でない人ほど、良い食材を選んで欲しい。
その次に、それを引き立てるだけのシンプルな調味料を少量使うこと。シンプルが一番。
最初は薄いと思っていた味付けが、だんだんと慣れてきて、今まで味わって来たよりも多くの味が隠れていたことに気がつきます。
出汁を丁寧に引いて、塩麹の上澄みと本醸造醤油でうす口を作ってお吸い物。ほっと心身がほぐれるような味。
後味の違和感のなさも天然の材料由来の美味しさならでは。
次回は3・4について触れたいと思います。